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2012年度 第1回ワークショップ in かごしま

 今年度第1回目となるワークショップを鹿児島県で8/5に開催しました。
 3月に熊本で開催したワークショップでも講義をお願いし、受講者から大絶賛された(有 )フクオカストレングス&コンディショニングセンター代表取締役の片井忠先生を講師に迎え、「フィジカルを鍛えて勝つ!」というテーマで、午前中2時間の講義と午後2時間の実技を行いました。
 午前中はまず、トレーニングの原理・原則といった、トレーニングを実施・処方する上で大前提でありながら、知られていなかったり忘れがちになるような事柄から説明されました。陸上競技は、種目によって運動の形態は大きく異なるので、その種類を把握してトレーニング内容を考えていくことが肝要(特異性)であると同時にフィジカルトレーニング( 可逆性)と技術トレーニング(不可逆性)のバランスを考慮し、段階的に負荷を上げていく(過負荷)ことが大切ということでした。
 その後、実際のトレーニング現場で役立つウォーミングアップとクールダウン、筋力トレーニングや持久力トレーニングの実践方法を学びました。
 ウォーミングはその名のとおり体温を上げることが大きな目的で、人間が運動能力を最大限発揮できる状況として、直腸温38度、心拍数120拍/分という指標を示されました。
 筋力トレーニングは、必ずしも筋肥大を起こして筋線維を太くすることだけが正しいのではなく、筋量を増やさず筋力をつけるためにとして高負荷(1RMの85〜100%)で1〜6回のセットを組むという方法を紹介。さらに、スピードを高めるためには無負荷+最大スピードで反復し、神経系がスピードに対応すると同時に、少し負荷をかけて神経系に準備をさせることが重要で、坂(上りと下り)や風(向い風や追い風)が利用できると紹介されました。
 持久力トレーニングは、LSD(ロング・スロー・ディスタンス)やファルトレク(大自然を使ったクロスカントリーのような走行)といった持続法、インターバル法、レペティション法、タイムトライアル法を例に、それぞれの狙いと効果について説明がありました。いきなり質の高いタイムトライアルを行うのではなく、低負荷のLSDでベースを作り、徐々に AT(乳酸閾値)ペースへと負荷を上げ、さらにインターバルやレペティションと質を高めることが留意点として上がりました。
 さらに、トレーニングの弊害としてオーバートレーニングの危険性についても触れられました。 これは、まじめな選手ほど陥りやすく、甲状腺機能が低下するバセドニックや、兆候がなく運動終了時の拡張期血圧が100mg/hgと高くなるアディソニックがあり、仲間同士注意し合う必要性を感じました。
 最後にメンタルトレーニングについても触れられ、イメージを身体に直結させる目的のメンタルリハーサルと、呼吸を使ったサイケアップ(緊張を促す)とカームダウン(緊張を鎮める)を解説。自分自身の脈拍を測り、サイケアップとカームダウンの実習も行いました。
 午後からは体育館で、マットを使用したストレッチ等の実技でした。
 陸上競技のレベルアップにつなげるために、肩関節と股関節に焦点を絞り、2人組になってペアでなければできない関節可動域の評価やストレッチなどを実習しました。
 肩関節がスムーズに動くと身体全体の動きが良くなるということで、硬くなる3つの筋の評価とストレッチを行いました。肩関節の外転に使う前鋸筋、内転に使う菱形筋、肩甲骨を拳上させる僧帽筋が対象で、それぞれの評価やストレッチを左右ともした後、腕を上に何度か軽く引っ張ると肩甲骨が動いてくるということでした。
 また、肩関節は、胸鎖関節→肩鎖関節→肩関節とつながっているイメージで、動きを良くするために鎖骨遠位端を上から押して腕を回したり、胸骨と鎖骨を引き離した腕旋回なども行いました。
 股関節は、ストライドに大きく関与するため、ストライドに関係するハムストリングと腸腰筋の評価とストレッチを学習しました。
 ハムストリングスは足関節を内旋させた状態と、外旋させた状態で、左右差があるかチェック。左右差がなくなるまでストレッチといったものでした。
 腸腰筋は腹臥位で膝関節を曲げ、片足ずつ上方へ引き上げて評価とストレッチしました。
 この他、仙腸関節のアンバランスがストライドに影響を及ぼすため、腹臥位で足を引っ張り踝(くるぶし)の位置で左右の長さを比較。前後の骨盤にゆがみをとる方法を学びました 。
 今回のワークショップは、片井先生の解りやすい指導のおかげで、トレーニングとは何かをつかむ良い機会となりました。受講者は17名と少なかったですが、受講された選手や指導員等のトレーニングに関する考え方や取り組み方が大きく変わり、今後各人のレベルアップにつながることを期待します。

開催日 2012年8月5日
場 所 鹿児島市心身障害者福祉センター
カリキュラム 午前:講義 午後:実技
テーマ 「フィジカルを鍛えて勝つ!」
講 師 片井 忠 先生
受講生 17名 (視覚障害者会員3名 肢体不自由会員2名 賛助会員1名 非会員視覚障害者選手2名 伴奏者4名 障害者スポーツ指導員等5名)
   
詳 細  こちらのPDFに詳しく記載されておりますので、ご覧ください。
   
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